はじめに
みなさんは女性のオーガズム(イク、絶頂)に関してどの程度ご存じでしょうか?
膣によるオーガズム(中イキ)とクリトリスによるオーガズムがあることや、男性のオーガズムよりも精神的な要因が大きい、ということは聞いたことがあるかもしれません。
この他にも、巷には女性のオーガズムに関する様々な噂が溢れています。
セックスで女性に喜んでもらうには、女性のオーガズムを正しく理解することが重要です。
そこで、噂ではなく医学的な論文に基づいて女性のオーガズムについて説明し、その上で女性を喜ばせるセックスのコツについても説明していきます。
女性のオーガズム=”イク”とは?
まずは、女性のオーガズムの種類からひもといていきましょう。
女性のオーガズムには、クリトリスの刺激によるオーガズムと膣の刺激によるオーガズムの2種類があります。
ただ膣オーガズム(中イキ)は、医学的に存在がまだ議論されています。
医師のなかにも膣オーガズムの存在を疑う人もいます。
それは膣オーガズムは、挿入による刺激がクリトリスに伝わることでオーガズムを感じるのであり、つまりクリトリスのオーガズムと同じだという考え方です。
しかし、膣オーガズムの存在を示す有力な例が報告されています。
それは、事故による脊髄損傷でクリトリスの刺激が脳に伝わらなくなってしまった女性です。
その女性も膣オーガズムを得ることができたので、これが膣オーガズムの存在を示す有力な証拠となっています。
しかし、全ての女性がクリトリスによるオーガズムと膣オーガズムの両方を感じるのでしょうか?
実はそんなことはありません。
ある研究によると女性のうち21.9%は膣オーガズムを感じたことがありません。
また、約半数の人は挿入されてもたまにしかオーガズムを感じません。
挿入されてほぼ毎回膣オーガズムを感じる女性は20%もいません。
膣オーガズムを感じるかどうかは不安定であり、目にみえることではない、ということが男性のオーガズムと大きく違うところです。
ただし、膣オーガズムの方がクリトリスによるオーガズムよりも女性の満足度が高く、パートナーとの関係が良好になります。
つまり、 女性を喜ばせるには膣オーガズムを感じてもらうのがよい、ということです。
ペニスが長い方が女性は感じやすい?
それでは、どうすれば女性に膣オーガズムを感じてもらうことができるのでしょうか。
一般には「ペニスが長い方が膣オーガズムを感じやすい」と考えられることが多いと思いますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
ここでは、膣オーガズムに関する重要な研究をご紹介しましょう。
この研究では、膣オーガズムの達成のしやすさと、「女性自身が膣に意識を集中できるか」「前戯の時間」「挿入時間」「ペニスの長さ」「女性自身がオーガズムを達するのに膣が大事と考えるかクリトリスが大事と考えるか」といった各項目との関係を調査しています。
何が一番重要と思いますか?
ペニスが長い方がいい、前戯をしっかりする、など色々と聞いたことがあると思います。
本当の答えは、膣オーガズムの達成と最も関係があるのは「女性自身が膣に意識を集中できるか」という項目であることが分かりました。
つまり、男性には残念な答えかもしれませんが、イキやすいかどうかは男性の頑張りというよりも女性自身の体質が一番重要です。
「挿入時間」「ペニスの長さ」「オーガズムを達するのに膣が大事と考えるかクリトリスが大事と考えるか」は女性のオーガズムにやや影響がありました。
そして、「前戯の時間」はほとんど影響しないという結果でした。
一番重要なのは女性の体質だとしても、男性にできることがないというわけではありません。
次に男性が意識するべきセックスのコツをみていきましょう。
女性を喜ばせるためのセックスのコツ
それでは、女性を喜ばせるためのセックスのコツについて考えてみましょう。
先ほどの研究結果から考えると、女性を喜ばせるためには>
「膣で感じることを意識するよう女性に伝えておくこと」
「前戯に時間を割くより挿入時間を長くできるよう頑張ること」
が大切であると言えます。
つまり、「テクニックで感じさせる」のではなく、女性とコミュニケーションをとりながらより良い関係をつくっていくことが大切です。
また、その助けになるものとして、挿入時間を長くするにはED治療薬も有効です。
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また、膣オーガズムには迷走神経という自律神経も作用しています。
迷走神経は注意力や感情の調整、親密さにより影響を受けます。
そのため、安心感や親密さを育むことでもより性的満足度も上がります。
まとめ
女性のオーガズムの種類や個人差、そして膣オーガズムを達成するためのコツなどについて説明してきました。
ペニスの長さなどに関係なく、どんな男性でも女性を喜ばせることができることが分かっていただけたかと思います。
セックスは男女の大切なコミュニケーションです。
ぜひ今回の記事を参考にして、素敵なセックスライフを送ってくださいね。
参考文献
- Sexual medicine VOLUME 9, ISSUE 12, P3079-3088
- Sexual medicine VOLUME 10, ISSUE 11, P2875-2876
監修医師:老木悠人